「病気になる」「髪を失う」ことは、誰のせいでもありません。
にもかかわらず、それがきっかけで子ども自身の生活に支障をきたすことがあるなら、
それは非常に残念で悲しいことです。たとえば、学校で勉強したり、同じ年頃の子どもたちと一緒に過ごしたりするのは、
子どもの成長・発達には必要不可欠ですが、髪がないことによって、そこへ参加するのが著しく困難になることもあります。
また、自分は周りからどんなふうに見られているのか、と考えるのは相当悩ましいことでしょうし、
本人だけでなく、親御さんも不安や焦りを募らせるであろうことは、想像にかたくありません。
抗ガン剤治療や放射線治療を受ける場合、
副作用による脱毛問題は復学の際の一番のネックになっているとの報告もあり、
実は、病気と同等に深刻な問題を抱えているとも言えます。
もちろん、ウィッグをつけさえすれば、すべてが解決するわけではありません。
それでも、髪を失った子どもたちがウィッグをつけることで治療に前向きになったり、
普通の何気ない日常を送れるようになったりするなら、それはQOL(生活の質)の向上といえるでしょう。
私たちはぜひ、その力になりたいのです。
しかしながら、今一般に販売されている多くのウィッグは手頃な価格を実現するために、
S・M・L等の少ないサイズ展開で大量生産されており、そのほとんどが大人用です。
小児用ウィッグも流通してはいるものの種類が少なく、成長段階にある子どもの頭に柔軟に対応するものではありません。
また、ヘアスタイルも限られており、選択肢が少ないのが現状です。
それゆえ、小児用ウィッグを手に入れるには、大変高価(30万~50万円)なセミオーダーやフルオーダーで購入せざるをえません。
しかしながら、成長によるサイズの変化や経年劣化に伴う買い換えは必須であり、
治療と並行してその費用を捻出することは、家計への重い負担になります。
上記のような理由から、JHD&Cでは「ドナーの想いと善意」を子どもたちに直接届けるため、
ヘアドネーションにより製作されるメディカル・ウィッグ(JIS規格取得)の完全無償提供を実現しています。
また、丈夫で安価な素材として、ほとんどのウィッグに採用されている化繊・アクリル等の人工素材ではなく、
自然で、元々の自分の髪に限りなく近い「人毛100%のフルウィッグ」を提供し続けています。